飛田で生きる

 桜木町。通称青春通りで、いちばん若い子が多い。この通りから離れるに従い、年齢層が高くなって、妖怪通りや年金通りと呼ばれる通りになる

「ところが大阪人は、銭払うんやから実物を見んと気が済まんのよ」 「東京にはソープが残って大阪には新地が残っているのは、それも理由なのかもしれませんね」

飛田には毎日1500人の客が来るが冷やかしも含む

☆かつてお店が120店舗あった時、客数が1500だった。それを100店舗に減らしたら、飛田自体が閑散としてしまった→そのため、店舗を200にして客を2000人呼び込む意向に変わった→店舗が増えると客の奪い合いになると思いきや、店舗が減って客も減ることで余計奪い合いが加速する

店を始めるまでに、最終的には約一二〇〇万円かかりました。初めに不動産屋に納めた保証金八〇〇万円、日割り家賃、翌月家賃、仲介料に加えて、二ヵ月分の空家賃。許可が下りた後に払った行政書士への報酬三五万円。組合加盟料金五〇万円。  それ以外に、店をやるうえで、冬はヒーター、夏はエアコンが欠かせません。各部屋に付けたら、それだけで四〇万円はかかります。看板や暖簾を作って一〇万円。そこに女の子の求人広告費が必要になる。父親の生命保険金どころか、社会人時代に七年かけて貯めたお金もあらかたなくなっていました

居酒屋スカウトで惨敗し続けた私が頼りにしていたのは、コンビニエンスストアに置かれるフリーペーパーや、高収入マガジンなどに出す求人広告です。一回の掲載につき期間は一ヵ月間で広告料金は一〇万円。これを三誌に出していました。求人広告だけで毎月三〇万円かかる

「こんなんでホンマに女の子来るんかな」  最初はそう思いましたが、これが意外と電話が鳴るのです。

大儲けするためには、美人なだけでもかわいいだけでもだめなのです。男を捕らえて離さない魅惑の笑みを投げかけられる子がいなくてはならない

☆日払いが多いのは、まとまったお金を貯金に回させないため

実際は八割から九割が自分の派手な生活が原因で自ら飛田に来ることを選んだ女の子たちです。飛田にくる理由は共通していて、ずばり金

いまどきの若い子は行為に対する抵抗があまりないのか、握手するかのように軽い感覚で仕事をサクサクとこなしていきます。毎年夏休みや春休みの時期になると、一人や二人は学生がアルバイトで働きにくるほど

少なくとも業界経験者の女の子たちは口をそろえてこう言います。飛田のほうが楽→すまたや体を舐めたり多彩なサービスがなく、さらに比較的短時間な料金設定だから

二十五歳で復帰したとしても、当時の勢いはもうありません。学生時代の週二回から四回に増やして月に一〇〇万円稼げると思ってやって来たけど、実際には五〇万円しか稼げなかった、というケースをいやというほど見てきました

月の売り上げが1000万でも女の子とおばちゃんに給与を渡すと残りは400万。ここから家賃50万、求人30万、送迎などの雑費で残り300万。さらに風俗やキャバのスカウト費用100万かかる。リーマンショック以降は月収100万切ることもあった。さらに毎月売り上げは安定せず女の子が全員辞めて0になることもあった

ホスト上がりの経営者も多いが、ホストのお店と自分の店では女の子の扱い方のノウハウが違う。客の女の子には褒めれば良いが、お店の女の子には教育が必要

2014年飛田のレベルが下がってきた。ホテヘルが料金の支払いを上げてきたから

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杉坂圭介

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