「働かないおじさん問題」のトリセツ
いま言われる働かないおじさんは、真面目でコツコツ働いているサラリーマンのこと→なぜ?→働かないおじさんは、本来コツコツ仕事をしている人がほとんど→企業や上司の複雑な影響によって働かないおじさん化した人が多くいる
☆自分の意志や思考を持たない変化は、すぐに陳腐化して元に戻る→一時的に言って改善させたとしても意味がない
☆本人が好き好んで働かないおじさん化しているケースは少ない→2パターン、気づかないうちに・あるいは薄々気づいていたけど上手く対応できず手遅れになってしまった→会社に対して真面目にコツコツ頑張ってきた人ほど陥りやすい
☆能力が発揮できる地位(役職・階級)から、釣り合わない地位まで昇進させられてしまうと無能ぶりを露呈することになる→ピーターの法則→能力主義の階級社会において、組織全体が無能な人間であふれてしまうことがある
☆おじさんが働かないように変わったのではなく周りの環境が急速に変わった
①成果のミスマッチ→会社側から求める成果とおじさん側の努力の方法が間違っていたり、求められるレベルについていけていない
②意欲のミスマッチ→会社側から求められるポジションと本人の求めるポジションが異なる→肩書や給与が下がってしまったり、若手の邪魔にならないようにと意欲が下がる場合もある
③言動や行動のミスマッチ→本人はやる気はあるが、会社から求められている期待と行動・言動にずれが生じてしまっている→やる気はあるので部下や会社が思ったように動かないと自分で解決しようとしてしまい、周りの動きを止めてしまう
④過去の経験や成功体験→今までの成功法則と現在の方法が異なっていることに本人が気づけていない。会社が新しいことを始めようとすると過去の経験から否定的なことを言って止めようとする→本人の成功体験が大きいほど自信がある
⑤年齢差のギャップ→お互いに遠慮して中途半端な行動を行ってしまう
⑥単純に変化するまで時間がかかる→長年の行動が習慣化されていて変化するまでに時間がかかる。または改善してもすぐに戻ってしまう。その結果、この人に言っても時間の無駄だと周りに判断されて放置されてしまう
☆働かないではなく、働けないことが問題の本質にある
働かないおじさんは実際は働いていないわけではない。周囲の期待に応えられず働いてない(足りない)ように見えているだけ→若者にも起こっている事象だけど、ミドル世代の人の方が給与と責任が大きく、期待と働きにギャップが生じてしまう
☆なぜ近年になって大きく取りあげられるようになったのか?→周りの環境が急激に変化して、働けなくなった(ついていけなくなった)人が増えたから。また、その人たちが丁度40代など働き盛りの世代→AI、テレワーク、コロナ、IT化
☆働かないおじさんの解決策→企業が期待する成果とおじさんの出せる成果のミスマッチを解消する。または役職やポジションを変えておじさんの能力が一番発揮できる場所で育て直す。最後に雇用の解消
☆本人、上司、企業で3組になっていることが多い→立場が違うので考えていることや見えていることが違う
本人→頑張っているのに上司や会社がそれを見てくれていない
新入社員とはコミュニケーションを積極的に取るが、ベテラン社員だから必要ないと勘違いしてしまう
☆やりたくない仕事でも、やらなければいけない仕事だからやっている→仕事をしているから良いと放置すると危険→仕方がなく仕事を続けていると燃え尽き症候群になるケースがある
☆最近多いケース、梯子外され型→事業変更などによりポジションそのものが消滅→会社の都合でポジションが無くなっているので不満が高い→結局やりたくない仕事をやらされて燃え尽きる
上司のネガティヴフィードバックを促す→働かなくなる前に、関係が悪化する、嫌われたくない、ベタランだから勝手に気づくべきなどという理由で、上司が放置していたケースが多々ある
☆本人が変わろうと思わなければ変われないし、会社や上司も本人に変わるきっかけや気づきを与えることしかできない
☆しかし、長年の習慣を身につけてしまった人が変わろうとするのはかなり苦労する。成功体験があると尚更、変わるのが難しい→本人も薄々やり方が古いと気づいていても感情との折り合いが付かない
☆働く意味→大手企業でも40代・50代の社員研修を行うと、働く意義を持っている人が少ない→家族がいて生活のため、仕事だから、これまで考えなくても生きてこれたから、など→本人の能力や意欲の問題ではない→企業側も働く意味を考えさせるのが不都合だった、不要だった、考える機会がなかったなど日本企業文化が原因
働く意味付けができると幸福感が増える。また、他社の目線が気になりにくくなる→自分ごとになる
☆一般的に能力の低い人ほど、自分の能力や状態を客観視することができず、また修正が苦手で、自己評価も高い傾向にある→成果が出ていない人ほどフィードバックの反発をしやすく抵抗感がある
☆ベテラン社員の人たち程、そこまでのスキル習得に時間や労力がかかっているため、学び直しや0スタートが難しい
☆人は創造するだけでもドーパミンが分泌する→旅行計画を立てて旅行先の写真を見てワクワクするなど→アドバイスする際は本人に将来のイメージを考えさせて、自分はそのイメージを具体的に発言してはいけない
☆人は何歳になっても褒められたい→フィードバックの際はまず褒めることから
☆働かないおじさんにならないためには?→学ぶ力と変化し続ける力。学ぶことを楽しみ、変化することを選ぶ
変化を始めるには→歩く道を変えてみる。初めてのお店に入る。人に会ってみる、などから始めてみると意外と楽しいと思う
学習は興味のある分野から始めないと習得が難しい
☆ミドル世代の人たちは滅私奉公の考えが若い人に比べて強い→自分の中の思いに気づかせてあげる必要がある
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